SNSで話題の「いいね!するだけの副業」。簡単に稼げると謳っていますが、本当に大丈夫なのでしょうか?この記事では、その実態と危険性について詳しく解説します。
いいね!するだけの副業の実態と危険性
「いいね!するだけで1日1万円稼げる」という魅力的な謳い文句。しかし、その裏には様々な問題が潜んでいます。以下に主な特徴と注意点をまとめました。
- 具体的な仕事内容が一切明かされていない
- 法律で義務付けられた特商法の記載がない
- 安い初期費用で誘い込み、高額なオプションプランへ誘導
- 電話での勧誘を好む傾向がある
- キャッシュバックの条件が不透明
- ライバー勧誘ビジネスの可能性が高い
- 消費者庁が注意喚起している手口と酷似
- 副業詐欺の疑いが極めて強い
「いいね!するだけの副業」は、一見すると簡単に稼げそうに見えますが、実際はかなり危険な副業案件です。具体的な仕事内容が明かされていないことや、法律で義務付けられた特商法の記載がないことなど、多くの問題点が見られます。
このような副業は、安い初期費用で誘い込み、後から高額なオプションプランへ誘導するケースが多く見られます。また、電話での勧誘を好む傾向があり、強引な営業トークで契約を迫られる可能性があります。
さらに、キャッシュバックの条件が不透明であったり、実際にはライバー勧誘ビジネスである可能性が高いなど、消費者庁が注意喚起している手口と酷似しています。これらの特徴から、「いいね!するだけの副業」は副業詐欺の疑いが極めて強いと言えるでしょう。
ライバー勧誘ビジネスの実態
「いいね!するだけの副業」の背後に潜むライバー勧誘ビジネスについて、詳しく見ていきましょう。ライバー勧誘ビジネスとは、ライブ配信を行う人材(ライバー)を見つけ出し、契約して売り上げから報酬をもらう仕事です。
具体的な流れは以下のようになります:
1. SNSなどを利用して、ライバーを積極的に勧誘する
2. 参加したライバーに、有益な情報や助言を提供して成長を促す
3. ライバーが成長し、ファンを獲得すると、収益化に成功する
4. ライバーの収益の一部として報酬が支払われる
5. 報酬を受け取った後も、ライバーのマネジメントを継続する
つまり、自分が育てたライバーの売り上げに応じて報酬を受け取る仕組みです。しかし、知らない人からの勧誘で契約してくれる配信者を見つけることは稀であり、初心者にとっては簡単に取り組める副業ではありません。
そのため、広告と実際の副業内容には大きな乖離があり、副業詐欺が疑われるのです。このような現象は、消費者庁が注意喚起をしているPDFにも記載されており、非常に危険な副業だと言えるでしょう。
高額な情報料金の罠
「いいね!するだけの副業」の大きな問題点の一つが、高額な情報料金の存在です。この副業を始めるためには、まず1,980円(税込)で販売されているスタートガイドの購入が必要とされています。
一見すると非常にリーズナブルな価格設定に見えますが、これは罠です。この安い初期費用で購入させ、後から有料のオプションプランへの参加を勧める仕組みになっているのです。
このオプションプランの料金は、安くても数十万円以上に設定されており、非常に高額です。消費者庁が注意喚起しているPDFにも、同様の手口が記載されています:
「有料の「サポートプラン」に加入するよう電話で消費者を勧誘し、高額な金銭を支払わせます。」
「有料のサポートプランの内容は本件テキストに記載されており、「1ST プラン」から「マスタープラン」までの6つの有料サポートプラン (価格は 3 20 万円~150 万円)が紹介され、プランごとに、サポート日数(30 日~90 日)や売上見込である「シミュレーション金額」(約 27 万円~約 750 万円)が設定されています。」
このように、安い初期費用で誘い込み、後から高額な料金を請求するという手口は、多くの副業詐欺に共通して見られるものです。単純に安いからといって軽率に購入することは絶対におすすめできません。
特定商取引法違反の疑い
「いいね!するだけの副業」には、特定商取引法に基づく表記がありません。これは非常に重大な問題です。特定商取引法(特商法)は、訪問販売や通信販売などの取引において、消費者トラブルが頻繁に発生する可能性がある場合に、事業者が遵守すべき細則や消費者保護策を明確に定めています。
特商法の第一条には以下のように記載されています:
「この法律は、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引並びに訪問購入に係る取引をいう。以下同じ。)を公正にし、及び購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより、購入者等の利益を保護し、あわせて商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にし、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」
つまり、特商法に基づく表記を公開しないことは、法律違反の可能性が高いのです。販売者の情報が一切わからない状態で取引を行うことは、非常に危険です。特商法の記載がない副業や投資案件は、法律を守っていない可能性が高いため、絶対に関わらないようにしましょう。
消費者庁の注意喚起
消費者庁は、「いいね!するだけの副業」のような案件に対して、強く注意喚起を行っています。具体的には以下のようなアドバイスを提供しています:
「具体的な仕事内容を一切明らかにせず「副業」を行うための「マニュアル」を売りつけようとする事業者には注意しましょう」
「コロナ禍の影響により本業の収入が減るなどして、「副業」に興味を持つ消費者が増加していると考えられますが、インターネット上には、そのような消費者に対して、具体的な仕事内容を一切明らかにせず、簡単な作業をするだけで誰でも稼ぐことができるなどと勧誘し、「副業」を行うためには「マニュアル」等が必要であるとして情報商材を売りつけようとする事業者が多数みられますので注意しましょう。」
「これまでの消費者庁などによる調査、消費生活センターに寄せられた相談の内容によれば、インターネット上で販売される「副業」の「マニュアル」等の情報商材を購入すれば、簡単な作業を短時間するだけで誰でも1日数万円を稼ぐことができる、ということはまずあり得ません。」
これらの注意喚起からも分かるように、「いいね!するだけの副業」のような、具体的な仕事内容を明かさず、簡単に高額な収入が得られると謳う副業には十分な注意が必要です。消費者庁の警告を軽視せず、慎重に判断することが重要です。
安全な副業の選び方
「いいね!するだけの副業」のような危険な案件を避け、安全に副業を始めるためには、以下のポイントに注意しましょう:
1. 具体的な仕事内容が明確に説明されているか確認する
2. 特定商取引法に基づく表記があるか必ず確認する
3. 初期費用が安すぎる案件には要注意
4. 電話での勧誘を強要する業者とは関わらない
5. キャッシュバックや返金保証の条件をしっかり確認する
6. 「誰でも簡単に稼げる」という謳い文句には疑いの目を向ける
7. 消費者庁や国民生活センターの注意喚起情報をこまめにチェックする
これらのポイントを押さえることで、詐欺的な副業案件を避け、安全に副業を始めることができます。特に、具体的な仕事内容が明確に説明されているかどうかは非常に重要です。また、特定商取引法に基づく表記がない案件は、法律を守っていない可能性が高いため、絶対に避けるべきです。
初期費用が安すぎる案件にも注意が必要です。これは後から高額なオプションプランへの加入を迫られる可能性が高いためです。また、電話での勧誘を強要する業者とは関わらないようにしましょう。これは強引な営業トークで契約を迫られる可能性があるためです。
キャッシュバックや返金保証についても、その条件をしっかりと確認することが大切です。条件が不明確な場合は、実際にはキャッシュバックや返金を受けられない可能性があります。
最後に、「誰でも簡単に稼げる」という謳い文句には常に疑いの目を向けることが重要です。副業で収入を得るためには、それなりの努力と時間が必要です。簡単に高額な収入が得られるという話は、ほとんどの場合詐欺的な案件だと考えて間違いありません。
まとめ:いいね!するだけの副業は危険な詐欺の可能性大
「いいね!するだけの副業」は、その謳い文句とは裏腹に、非常に危険な副業案件であることが分かりました。具体的な仕事内容が明かされていないこと、特定商取引法に基づく表記がないこと、安い初期費用で誘い込み高額なオプションプランへ誘導する可能性が高いことなど、多くの問題点が見られます。
このような副業案件に手を出すことは、金銭的な損失だけでなく、個人情報の流出などのリスクも伴います。安全に副業を始めたい方は、具体的な仕事内容が明確に説明されている案件を選び、特定商取引法に基づく表記をしっかりと確認することが重要です。
また、消費者庁や国民生活センターの注意喚起情報を定期的にチェックし、最新の詐欺手口について情報を得ることも大切です。副業で収入を得るためには努力と時間が必要です。簡単に高額な収入が得られるという甘い誘いには乗らず、慎重に判断することが、安全に副業を始める鍵となります。